数あるコンバージョンメーカーの中でも人気と実力を兼ね備えた老舗メーカー“スタークラフト社”は、創立が１９０３年と既に１００年以上の歴史を持つ、スタータンクコーポレーションという名前で、初めは農業用機器を作る会社として、主に金属製タンクを製造する会社だった。その後、農機具や貯蔵タンクを作る金属加工技術を生かして、スチールボートの生産に乗り出し、スタークラフトと社名を変更、ボートメーカーとして名を馳せるようになる。さらにアルミやＦＲＰの加工の技術を磨き、大型の外洋クルーザーをも生産する会社に成長、クルーザーのトップメーカーとして、その名を知られるようになった。
そんなスタークラフト社がＲＶ市場に進出したのは１９６０年代、キャンピングトレーラーの製造に乗り出した。もちろん今でもスタークラフトのキャンパーはアメリカでも大人気の商品になっている。それがコンバージョンバンの製作に発展したのは１９７０年代、スタークラフトはボートを作るクラフトマンシップをそのまま車に持ち込んだのだ。スローガンである「古き良き時代のクラフトマンシップとハイテクノロジーの融和」を掲げクルーザーを造る技術をそのままコンバージョンモデルに利用している。ハイルーフの屋根がボートをひっくり返した様なデザインになっているのはそのためだ。
本革シートは凝った造りになっており、座り心地はバツグン、長距離の移動は苦にならない。ウッドパネルは艶やかな鏡面仕上げできちんと色合わせや木目が統一されており品質面に特に気を使っているスタークラフト社のこだわりが伺える。イルミネーションも、特に電球の数が多いわけではないが、上品にまとめられ、その高級感は本物だ。クルーザー造りのノウハウが十分に生かされ、どこをとっても路上のクルーザーと呼ぶにふさわしい。本当の高級車とはこういう車のことをいうのではないか。

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